滑舌は科学、そして芸術。その真意。

当校にお問い合わせがある方の多くは、「本当に滑舌で苦労をされている方」です。そして、「何かを一生懸命やったけど、無理だった」と言う方が
一周回っていらっしゃいます。では、具体的にそのような方たちはここに来るまでにどうなっているのでしょうか?

  1. YOUTUBEやテキストを使ってメソッドに沿って滑舌をしている。出来ているのだから治っているはずなのに、現場でまだ指摘される。
  2. 見た目的にも、自分の滑舌に不安はないし、出来ていると思うのだけど、やはり聞き返されることがある。
  3. 自分が思っているより、スムーズに言えていないのかもしれない(他人と比較すると自分は劣っているように感じる)

と、こういったパターンの方がうちはとても多いです。これだけ見ていただいただけでも、ちょっとうちのスクールが特殊の感じがすることはわかっていただけると思います。
では、こういった方の根本的な原因はどこにあるのでしょう?実はこういった方の多くが

  1. 歯並びや顎のズレ等、機能的に問題が起きているが、気づいていない、もしくはさほどそこが重要と感じていない。
  2. 歯の矯正をして随分立つ。若いころにやっているので、滑舌には良い影響はあっても、悪い影響があるとは到底思えない。
  3. 発声と滑舌は全く別物だとそもそも捉えているので、根本的な原因が発声の方にあるとは全く想像も出来なかった。

と、こういう事が起きています。
実はここからが大事なのですが、元々の歯並びが悪く,出っ歯だったのを後ろに下げてきれいにし、歯も抜いて整えた。出っ歯が治ったのだから、滑舌には問題ないはず。

と言うお考えの生徒さんがいらっしゃるとします。勿論何歳ごろ矯正したのかにもよりますが、前歯が出ていた時の舌の位置の記憶というのがある程度学習されてしまっている場合、根本的にそこを直すことが大事です。又、矯正をする過程で、どうしても舌の安置の位置がど真ん中に来ない。と言う方もいらっしゃいます。ちょっと右より、左寄り、個人差があります。
明らかに「下あごを出さないとタ行、サ行が言えない」と言う方などで、それをやることによって別の発音が引っ張られて言えなくなってしまう場合は、それを根本的に治す必要がありますが、テキストにあることを真正面からやってみたところで「全員に当てはまるわけでもない」という事を私は言いたいです。

一度大規模な矯正をした方に、「では、矯正後に舌の位置のポジショニングが上手くいかなくなっちゃってきれいな発音が出来なくなったという事であれば、もう一度矯正しなおしましょうか?」なんて、絶対に言えないですし、じゃあそれをしたところで舌位が変わるとは到底思えません。

「滑舌は芸術」の本意は、とにかくその方にとってのベストな音を探っていく作業であるという事が一つ。
ひとには声のうまみの成分があり、そのうまみの成分を使ってしっかり表現をしていく過程で、滑舌は表現の助けにならなくてはなりません。滑舌で本当に悩んでいる方は、「演技や発声はある程度できているのに、滑舌という基礎の基礎に足を引っ張られて本来の自分の実力が発揮できない」と思っています。

いつもブログに書きますが、「滑舌が悪い方はそもそも発声が良くない場合が9割です。」滑舌が苦手な方でも発声があまりにも良い事で、完全にカバーできてしまっている事さえあります。そういう方でも「ちょっとした自分の音の歪が気持ち悪い」と言ってなおそうとします。そこまで行くともうトップレベルのプロの方々だと私は思いますので。

とにかく、滑舌は芸術です、。

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